
「息子さんの場合はですねぇ・・」
「えっ?」
明日からはじまる高齢者医療保険は、75才以上は国民健康保険を脱退して、
この高齢者医療保険に入ることになる。
母もその対象で、高齢者医療保険の窓口に電話をかけた。
中年ポイ女性職員から、しばし説明を受けたが、
「お母さんと息子さんの今までの国民健康保険は・・」と、どうやら私が男性だと思ったようだ。
「ちょ、ちょっとぉ・・そら違いますよ。」と、思わず訂正をしようかなと思ったものの、説明の主旨にしっかり耳を傾けてたかったので、言わなかった。
「あのぉ・・その場合は、介護保険はどうなるのですか?」と質問をすると
「介護保険はこちらではないので、区役所の方で問い合わせて下さい」
そして区役所に電話をした。
今度は、若い男性ポイ職員の声だった。
「介護保険は、今まで通りで変わりませんよ。息子さんの方も同じです。」
「・・・」またかよ・・だった。
なので「私と母はですね・・」と、「わ・た・し」としきりに強調した。
が・・「そうですねぇ、息子さんとお母さんは・・」
「あちゃー」もう、彼の頭には、私は息子でしかないのだ。
結局、訂正を求めず、本日、私はそのまま息子になりすました。
・・・たいがい私は低い声で、今までも電話で男性に間違われることも
しばしばあった。
親といた頃、電話をとると「ぼく、お母さんいたはる?」と言われることもあった。
化粧品のセールスの電話で「ご主人さまですか、奥様いらっしゃいますか?」と言われた。(私が奥様や! )
又、女友達に電話をして、そこの旦那に「誰やねん?」といぶかしげられたこともあった・・もぉ・・電話の私は男性だ。
けど、そんな声のおかげか、ケッコウ役に立ってきた。
小学校の4年生の時の話だけど、夜、ひとりの銭湯帰りに、車が私の横に止まった。そして運転していた若い男性が、私を車内に引っ張り込もうとした。
「えっ?」となんのことやらわからず一瞬戸惑った。
「これって、よくいう誘拐ちゃうの?」とだんだん事態の状況がわかってきた。
で、こういう場合は何を言えばいいのかと思い、よくドラマで助けを求める女性の台詞を思い出した。
「た・す・け・て・え〜」と、
太ぉーく低ーい声で叫んだことを今でも覚えてる。それも棒読みだった。
今まで言ったことのない台詞だったからだが、その声を聞いた誘拐犯は、驚いて私の手を離し、急発進して立ち去ってくれた。やれやれだ〜。
それで、そのエピソードをあるTV番組の「美人コンテスト」に応募した時に話した。青春の思い出に一度はTVに出たかった私は、おかげで、美人コンテストに出ることになった。関西の番組で毎週ユニークな美人コンテストをやってたんだけど、私は、顔に似合わない声を持つ「奇声珍声美人コンテスト」に出演した。
結局、他の美女を押さえて、優勝までさせて頂いたのだから、「息子」でも、もうええよねぇ・・。


